介護士が提供する介護サービスには「生活援助」と「身体介護」の2種類があります。資格の必要性の有無や時給などが異なり、場合によってはトラブルに発展しかねないので違いは認識しておきましょう。

生活援助と身体介護の1番の違いは体に触れるかどうかです。生活援助は掃除、買い物、洗濯、食事の支度などの利用者が行うことが困難な家事や雑務などを代わりに行います。食事の支度はできても、それを利用者に食べさせることはできません。
それに対して身体介護は、食事介助、排せつ、着替え、清拭などの補助、家事の補助など、体に触れるサポートを行います。

また特定の専門知識を要する介護ができるのは身体介護だけです。体位変換、移動介助、服薬の補助、たんの吸引、経管栄養など一定の知識と技術が必要となる行為は、生活援助の範囲では行うことができません。食事の準備に関しても、もし利用者に特別な配慮が必要である場合は専門知識を要するとみなされ、身体介護の領域となります。

資格の必要性も異なります。介護施設内では、身体介護は介護職員初任者研修以上の資格を持っている職員が行うことが望ましいとされており、無資格では身体介護を担当することは少ないでしょう。
一方で生活援助は無資格でも担当する機会が多いです。ただし訪問介護の場合は生活援助も資格が必要になるため、その点は注意が必要です。

また生活援助と身体介護では時給が違います。当然専門知識を必要とする身体介護の方が給料は高いです。将来のことを考えるのであれば、現在無資格の方は身体介護を行うためにも資格の取得を目指しましょう。