介護で行われるサービスには、入浴や食事の介助といったものから、移動時のサポートや、洗濯や掃除など、さまざまなものがあります。
その中の1つである「身体介護」とは、身体に接触して行う、介護士と利用者の距離が物理的に近いものを指します。その定義は厚生労働省により定められており、以下の3つのどれかに該当するとされています。

1つ目は、直接利用者の身体に接触して介助を行うというものです。排泄や入浴介助、食事介助だけではなく、着替えや体位の変換や清拭の介助などもこれに当たり、そのための準備や後片付けもサービスに含まれます。

2つ目は、利用者の日常における生活能力や意欲を向上させるために、介護士が利用者と共に行う、自立支援や重度化を防ぐことを目的としたものです。
どのようなものがこれにあたるのかは、15項目に明確に定義されています。例えば、移動の際転倒防止のために傍について一緒に歩くことから、一緒にゴミの分別を行ってゴミ出しのルールを再確認するなどといったことが当てはまります。

そして3つ目は、専門的な知識や技術を用いて行うものとなります。痰の吸引や管からの栄養補給は医療行為となるため、専門的な資格が必要です。

身体介護は、利用者の行動すべてを何でもかんでも手助けするのではありません。その時の状況や体調に合わせて、時には傍で見守りながら声掛けをしたり、一緒に行うなどして少しでも自立へと近づけるよう支援することもサービスの1つです。